採用コストを削減する方法は?コストが膨らむ原因と8つの対処法
人材採用を担当する中で、採用コストの増加に悩んでいる担当者は多いのではないでしょうか。
限られた予算内で目標人数を達成しなければならず、費用対効果の改善に頭を抱えるケースは珍しくありません。
採用コストを適切に抑えるためには、コストの内訳を把握し、無駄な部分を削る戦略が必要です。
この記事では、採用コストが膨らむ原因や、具体的な8つのコスト削減方法をわかりやすく解説します。
目次
採用コストは主に2種類

採用活動にかかる費用は、「内部コスト」と「外部コスト」の2つに大別されます。
内部コスト
内部コストとは、企業の中で発生する採用関連の経費を指します。
人事担当者の人件費や、面接官を務める現場社員の対応時間にかかる費用などが該当します。
また、リファラル採用を実施した際に、従業員へ支払う紹介報酬や、内定者との懇親会にかかる飲食代なども内部コストの一部です。
外部へ支払うお金ではないため見落とされがちですが、選考プロセスが長引くほど社内のリソースを圧迫します。
採用担当者の残業代がかさんでいないかなど、見えない経費にも目を向けてください。
外部コスト
外部コストとは、採用活動をおこなうために、外部の企業やサービスへ支払う費用のことです。
求人媒体への掲載料や、人材紹介会社(エージェント)に支払う成功報酬などが代表例です。
さらに、以下のようなコストも外部コストとなります。
- 合同企業説明会への出展費用
- 採用サイト制作の外注費
- パンフレットなどのノベルティ制作代金
外部コストは、金額が明確に可視化されるため、費用対効果を測定しやすいという特徴をもっています。
採用コスト削減を検討する際は、外部コストの無駄を省くところから着手するとスムーズに進むでしょう。
採用コストの計算方法

自社の採用活動が適正な価格でおこなわれているかを判断するために、まずは現状の採用経費を正確に割り出してみてください。
1人あたりの採用コスト(採用単価)は、以下の計算式で簡単に算出できます。
1人あたりの採用コスト = (内部コストの総額 + 外部コストの総額) ÷ 採用した人数
例えば、人事担当者の人件費などの内部コストが100万円、求人広告などの外部コストが300万円かかり、合計で8名を採用できたと仮定します。
上記の数式に当てはめると、400万円を8名で割ることになるため、1人あたりの採用単価は50万円という計算になります。
算出した数値を、過去のデータや同業他社の相場と比較して、経費が適正かどうかを客観的に評価することが重要です。
【採用手法別】正社員の採用にかかる平均コスト

厚生労働省が発表している資料を参考に、正社員を1名採用する際にかかる平均的なコストを、主な採用手法別に紹介します。
自社の採用単価を比較する際の目安として活用してください。
| 採用手法 | 平均コスト |
| スカウトサービス | 91.4万円 |
| 民間職業紹介事業者(紹介会社) | 85.1万円 |
| インターネットの求人情報サイト | 28.5万円 |
| インターンからの就職 | 12.4万円 |
| 求人情報誌・チラシ | 11.3万円 |
| 知り合い・社員等からの紹介 | 4.4万円 |
| 自社HP等からの直接応募 | 2.8万円 |
| SNS | 0.9万円 |
出典:採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査報告書 | 厚生労働省
スカウトサービスや民間の人材紹介会社を利用した場合は、専門的なサポートを受けられる分、採用単価は高くなる傾向にあります。
一方で、自社ホームページからの直接応募やSNS、社員からの紹介は、コストを大幅に抑えられることがわかるでしょう。
採用コストは増えつつあるのが現状

現在の日本における採用にかかる経費は、全体的に増加傾向にあるのが実態です。
厚生労働省が公開している「労働者の過不足状況」の調査結果からも、多くの企業が深刻な労働力不足を感じていることが読み取れます。
人材を獲得するための企業間の競争が激しくなれば、求人媒体への出稿量を増やしたり、より高水準な給与条件を提示したりする必要が出てきます。
結果として、1人を採用するために費やす経費は年々膨らんでしまうわけです。
次項では、具体的にどのような原因で採用経費が上がってしまうのかを深掘りして解説します。
採用コストが増加してしまう原因

採用にかかる費用が想定以上に膨らんでしまう背景には、「社会的な要因」と「企業側の戦略不足」の両方が絡んでいます。
採用コストがかさんでしまう、代表的な5つの原因について見ていきましょう。
少子高齢化の影響
現在の日本では少子高齢化が急速に進んでおり、「生産年齢人口」と呼ばれる働き手の母数そのものが減少しています。
労働市場に新しく参加する若年層の数が減っているため、限られた優秀な人材を多数の企業で奪い合う状況です。
応募者を一人でも多く集めるためには、複数の求人メディアへ同時に広告を出したり、イベントへの出展回数を増やしたりしなければなりません。
人材確保のハードルが上がるにつれて、企業側が支払うべき広告費や活動費が自然と積み上がってしまうのです。
「少子高齢化」という外部環境の変化が、経費増加の根本的な要因となっていることは間違いありません。
即戦力となる人材採用の加速
じっくりと時間をかけて新入社員を育てる「経済的な体力がある企業」が減少していることから、入社後すぐに成果を出せる即戦力を求める傾向が強まっています。
しかし、豊富な経験や高いスキルをもつ優秀な人材は市場価値が高く、採用の難易度は極めて高いです。
即戦力層へ確実にアプローチするためには、専門性の高い高額な求人サービスを利用したり、スカウトメールを大量に送信したりする手間がかかります。
育成経費を削減する代わりに、採用段階で多額の投資をおこなう企業が増えたことが、全体的な採用単価を引き上げる要因となりました。
求める採用要件が厳しくなるほど、経費も比例して大きくなるでしょう。
高額なエージェントサービスへの依存
採用担当者の業務負担を減らすために、民間の人材紹介会社(エージェント)へ過度に依存してしまうケースも、コスト増加の大きな要因です。
エージェントを利用すると、条件に合致した候補者を推薦してもらえるため採用活動はスムーズに進みます。
ただし、採用が決定した際には、入社する人材の想定年収に応じて成功報酬を支払わなければなりません。
想定年収次第では、高額な費用がかかってしまいます。
複数の職種をすべて人材紹介経由で採用していると、支払う手数料はあっという間に数百万円規模、採用規模によってはそれ以上に膨らんでしまうでしょう。
採用戦略の失敗によるミスマッチの多発
目標の採用人数を達成することだけを優先し、「とにかく応募が集まればいい」という方針で採用を進めると、後になって後悔する可能性が高いです。
企業の文化や実際の業務内容を正しく伝えないまま人材を採用してしまうと、入社後に理想と現実のギャップが生じるはずです。
結果として早期離職につながり、辞めてしまった従業員の穴を埋めるために再び採用活動をイチからやり直さなければなりません。
一度支払った経費が無駄になるだけでなく、追加の広告費や面接の時間が余分にかかるため、採用予算はどんどん膨れ上がります。
自社にとってネガティブな情報でも、恐れず伝える姿勢が、ミスマッチを防ぐ誠実な採用戦略となり、採用コストの削減につながります。
コストを無視した惰性の求人施策
過去の採用実績にこだわり、「昔から利用している求人サイトだから」といった理由で、費用対効果の検証をおこなわずに同じ施策を続けるのは危険です。
「労働市場のトレンド」や「求職者の情報収集ツール」は常に変化しているため、数年前に効果があった求人媒体が現在も通用するとは限りません。
採用効果が薄れているにもかかわらず、高額な掲載プランを惰性で継続していると、無駄な外部コストがかかってしまいます。
長年使っていた媒体の利用を思い切って停止し、別の手法へ予算を振り分けたことで、採用単価が大幅に下がったというケースは多く存在します。
定期的な「効果の検証作業」を怠ることは、経費の無駄遣いにつながるので要注意です。
採用コストを削減するための具体的な対処法8選

経費が高騰する原因を把握したあとは、自社の状況に合わせた改善策を実行に移すべきです。
ここでは、実践的で効果が出やすい8つの対処法を紹介します。
- 今の採用活動に無駄がないかチェックする
- 複雑な選考プロセスを改善する
- ダイレクトリクルーティングを活用する
- リファラル採用を導入する
- 採用ブランディングを実施する
- SNSを活用する
- 内定者フォローを徹底する
- 採用サイトの内容を充実させる
1.今の採用活動に無駄がないかチェックする
まずは、現在利用しているすべての求人媒体や人材紹介サービスの費用対効果を洗い出す作業から始めてください。
媒体ごとに、「いくら費用をかけて何人の応募があり、最終的に何名採用できたのか」という数値を細かく測定して比較することが重要です。
もし、何となく長年継続しているだけで成果が伴っていないサービスがあれば、即座に見直しを図るべきでしょう。
そして、見直しによって浮いた予算で、「新たな採用手法の実践」や「採用サイトの改修」などへ投資するとよいでしょう。
採用サイト制作
2.複雑な選考プロセスを改善する
内部コストを削減するためには、応募から内定を出すまでの選考プロセスを極力シンプルに設計し直すことが有効です。
面接の回数が多すぎたり、適性検査の工程が複雑だったりすると、人事担当者や現場社員の対応時間が増え、人件費が膨らんでしまいます。
また、選考期間が長引くほど、優秀な候補者がしびれを切らして他社へ流れてしまうリスクも高まるでしょう。
オンライン面接ツールを導入して移動の手間を省いたり、現場の責任者と同席する合同面接を実施して面接回数を減らしたりする工夫を取り入れてみてください。
3.ダイレクトリクルーティングを活用する
求人広告を掲載して応募を待つ「受けの採用」から、企業側が求職者へ直接アプローチするダイレクトリクルーティングを実践するのも一つの手です。
スカウト専用のデータベースを利用して、自社の求める要件に合致した人材へスカウトメールを直接送信する、といった形です。
データベースの利用料などは発生しますが、高額な成功報酬を支払う人材紹介サービスと比較すると、一人あたりの採用単価を大幅に抑えられるでしょう。
自社の魅力を担当者の言葉で直接届けられるため、候補者の心を動かしやすく、質の高い母集団を形成する上でも非常に役立ちます。

4.リファラル採用を導入する
リファラル採用とは、自社で働いている従業員から、スキルや人柄を知っている友人・知人を紹介してもらう手法のことです。
紹介した従業員に対してインセンティブ(紹介報酬)を支払うケースが一般的ですが、求人媒体やエージェントに支払う費用に比べると、採用にかかる費用をかなり低く抑えられます。
さらに、自社の社風や業務内容をよく理解している社員からの紹介であるため、入社後のカルチャーギャップが起きにくく、早期離職を防ぐ効果もあります。
社内の協力体制を構築し、積極的に知人を誘いやすい環境を整えてみてください。
5.採用ブランディングを実施する
採用コストを根本から見直すためには、企業そのものの魅力を高め、求職者から「ここで働きたい」と選ばれる状態を作る「採用ブランディングの実施」も視野に入れてください。
会社のビジョンや働く環境の良さを継続的に発信し、労働市場における企業の認知度とブランド価値を向上させていきます。
ブランド力が定着すれば、高額な求人広告を出さなくても、企業の公式ページなどを通じて求職者が自然と集まるようになるはずです。
結果として、外部サービスへの依存度を大きく引き下げることが可能になります。
採用ブランディングに関する詳しい施策については、以下の専用記事もあわせて参考にしてください。

6.SNSを活用する
XやInstagram、LINEといったソーシャルメディアを活用して、企業のリアルな日常を発信していく手法も経費削減に直結します。
SNSのアカウント開設や基本機能の利用は無料でおこなえるため、広告費をかけずに多くの潜在的な求職者へリーチできるのが最大の強みです。
社内のイベント風景や若手社員のインタビュー動画などを定期的に投稿し、求職者とカジュアルなコミュニケーションを図りましょう。
企業に対して親近感を抱いたフォロワーが将来の応募者候補となってくれるため、あまり予算をかけずに良質な母集団を育成できます。
発信を続ける根気は必要ですが、非常に費用対効果の高い採用戦略と言えるでしょう。
7.内定者フォローを徹底する
せっかくコストをかけて内定を出した人材に辞退されてしまうと、それまでの採用活動費用がすべて無駄になってしまいます。
経費の無駄を防ぐためには、内定を出したあとのフォローアップを徹底し、確実に入社へとつなげることが何よりも重要です。
内定者と現場社員との座談会を企画したり、定期的に社内報を送付して企業の近況を伝えたりするなど、入社への不安を取り除く工夫を凝らしてください。
8.採用サイトの内容を充実させる
さまざまな採用手法を展開する中で、求職者が最終的に行き着く場所は、企業の公式ホームページである「採用サイト」です。
求人媒体やSNSで企業に興味をもった求職者は、より詳しい労働環境や信頼性を確かめるために、高い確率で採用サイトを訪問します。
採用サイトこそが採用活動の要であるため、「自社の強み」や「社員のリアルな声」を充実させておくことで、求職者の志望度を高められるでしょう。
一度質の高い採用サイトを制作してしまえば、掲載期間の制限なく24時間休まずに自社の魅力を発信し続けてくれるため、長期的なコスト削減を実現する最高の資産となります。
なお、採用サイトの強化をお考えであれば、採用サイト制作に特化したサービス「Creer+(クリーアプラス)」へぜひご相談ください。
豊富なノウハウをもとに、企業の採用課題を解決するオリジナルサイトの構築を全面的にサポートいたします。
採用サイト制作
採用コスト削減を実施する際の注意点

採用コストの削減は、企業の利益を守るために重要ですが、間違った方向へ進むと逆効果になる恐れがあります。
取り組みを始める前に、以下の3つの注意点について意識してください。
人事担当者の負担を増やさない
目先の外部コストを削ることばかりに気を取られ、人事担当者の業務量が増大するような施策は避けるべきです。
例えば、求人媒体の利用を急に停止し、手作業で候補者を探し出すような手法に切り替えると、担当者の負担ばかりが増えてしまいます。
現場に無理を強いるコスト削減は、人事担当者の疲弊や離職を招き、結果として採用効率の著しい低下を引き起こす危険性が高いです。
新しいシステムを導入して業務を自動化するなど、担当者が働きやすい環境を維持しながら、経費を抑えるバランス感覚を忘れないようにしましょう。
コストを削りすぎない
採用経費を減らすことだけを目的にしてしまい、必要な投資まで削ってしまうのは本末転倒と言わざるを得ません。
自社の魅力を伝えるためのプロカメラマンへの撮影依頼費や、求職者が働きやすさを実感できるようなパンフレットの制作費などは、優秀な人材を獲得するための大切な投資です。
必要な経費まで極端に削ってしまうと、企業ブランドの低下を招き、結果的に質の高い応募者が集まらなくなってしまいます。
単に支出を減らすのではなく、「かけた費用に対して優秀な人材を獲得できているか」という費用対効果の改善を目指してください。
長期的なコスト削減につながる施策を行う
一時的に広告費の予算を減らすといった短期的な対策だけでは、翌年の採用活動で再び同じようにコストの悩みを抱えることになります。
採用単価を根本から見直すためには、数年先を見据えた「長期的な経費削減につながる資産」を社内に築く視点が欠かせません。
その代表例が、前述した採用サイトの強化です。
外部の求人媒体や人材紹介エージェントに依存し続けていると、採用活動をおこなうたびに多額の手数料がかかるでしょう。
自社のオウンドメディアを育て、検索エンジンからの自然な流入を獲得できる仕組みを作ることが、未来の経費負担を抑えるポイントです。
まとめ
採用コストの削減は、ただ無闇に予算を削ればよいというものではありません。
現状の内部コストと外部コストを正確に把握し、費用対効果の合わない施策を見直すことからすべては始まります。
そして、さまざまな採用施策の受け皿となる採用サイトを充実させることが、中長期的な採用単価を引き下げる大きな要素となります。
魅力的な自社メディアを育て上げ、求人媒体に過度に依存しない自立した採用活動を実現していきましょう。
なお、長期的なコスト削減の土台となる採用サイトの構築において、専門的な知識や社内リソースが不足している場合は、外部のプロに相談するのも一つの選択です。
採用サイト制作サービス「Creer+(クリーアプラス)」では、検索エンジンに強く、求職者の心に響くオーダーメイドの採用サイト構築をトータルでサポートしています。
現状の採用コストに課題を感じており、自社主導の採用活動へシフトしたいとお考えの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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