介護の採用ブランディングとは?戦略の立て方や具体的な事例を紹介
介護業界では、人材不足を背景として採用競争が激しくなっています。
「求人を出しても応募が集まらない」
「採用しても早期離職が発生する」
「他施設との違いをうまく伝えられない」
など、人材採用に悩む介護事業所は少なくありません。
そこで、採用力を高める方法として注目されているのが「採用ブランディング」です。
給与や休日などの条件のみで競争するのではなく、自社の介護方針や職場環境、働く職員、教育制度などの魅力を整理し、求める人材に向けて一貫して発信することで、「働きたい職場」として認識してもらうことを目指します。
本記事では、介護業界で採用ブランディングが必要な理由やメリット、具体的な進め方、情報発信の方法について詳しく解説します。
実際の介護事業所による取り組み事例も紹介しますので、採用活動の改善に役立ててください。
採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、自社ならではの魅力や価値観を整理して継続的に発信し、「働く場所として魅力的な企業・事業所」というイメージを求職者に形成していく取り組みです。
単におしゃれな採用サイトを作ったり、キャッチコピーを考えたりするだけではありません。
「どのような人を採用したいのか」
「自社で働く価値は何なのか」
「競合施設と何が違うのか」
といった部分を明確にしたうえで、採用サイトや求人媒体、SNS、採用動画、説明会などへ一貫して反映させる必要があります。
介護事業所であれば、利用者との向き合い方や介護方針、職員同士の関係、教育体制なども重要なブランド要素です。
介護業界に採用ブランディングが必要な理由
介護業界で採用ブランディングの重要性が高まっている背景には、人材不足のほかにも様々な理由があります。
主な理由を詳しく見ていきましょう。
介護人材が不足している
介護業界では、将来にわたって多くの人材を確保していく必要があります。

画像引用:介護人材確保に向けた取組 | 厚生労働省
上記画像の通り、厚生労働省の推計によると、介護職員は2022年度時点の約215万人に対し、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人が必要です。
つまり、2040年度までに2022年度より約57万人多く確保しなければならない計算となります。
高齢化によって介護需要が増える一方、生産年齢人口は減少していくため、近隣の介護事業所だけでなく他業界とも人材を奪い合う状況が続くでしょう。
求人を掲載して応募を待つだけではなく、求職者から「働きたい事業所」として選ばれるための取り組みが求められています。
介護職の魅力が伝わりにくい
介護の仕事には、利用者の生活を支える社会貢献度の高さや、直接感謝されるやりがいといった多くの魅力があります。
しかし、世間一般には「体力的・精神的にきつい」「夜勤が大変」といったイメージが先行しがちで、仕事の本来の魅力が求職者に伝わりにくいという側面があります。
文字だけの求人票では、現場の温かい雰囲気や、最新の設備による負担軽減の取り組みを表現することは困難です。
採用ブランディングを通じて、ネガティブなイメージを払拭し、実際の働きやすさややりがいを視覚的かつ具体的に伝えていく必要があります。
他の介護施設と差別化しにくい
介護事業所の求人情報は、掲載する内容が似通いやすいという課題があります。
例えば、
- 利用者に寄り添った介護
- アットホームな職場
- やりがいのある仕事
- 未経験者歓迎
- 資格取得を支援
といった表現だけでは、求職者は「近隣施設との違い」を判断しにくいでしょう。
採用ブランディングでは、抽象的な言葉で魅力を伝えるのではなく、背景にある具体的な事実まで掘り下げる必要があります。
例えば「職員を大切にする職場」であれば、年間休日数や有給休暇の取得状況、面談制度、ICTによる負担軽減など、実際の仕組みを提示してください。
似たサービスを提供している介護施設でも、理念や教育方針、人間関係、キャリア、働き方には違いがあります。
自社ならではの違いを見つけて明確に伝えることが、差別化につながるでしょう。
Webでの魅力発信が不足している
多くの介護事業所では、インターネットを活用した求職者への魅力発信がまだ十分に行われていない現状があります。
実際に、厚生労働省の資料では、事業所の取り組みに関して以下の調査結果が報告されています。
同調査では「採用活動の実施状況、効果があったもの」の中で「事業所ホームページで自事業所のアピールポイントを求職者へ発信」している事業者が37.2%、「SNSを活用して自事業所のアピールポイントを求職者へ発信」している事業者が14.8%にとどまっています。
引用元:令和7年度介護のしごと魅力発信等事業|厚生労働省
つまり、約6割の事業所がホームページでの情報発信をおこなっていない、ということになります。
こういった状況であることから、Web上での発信を強化するだけで、他施設と大きな差をつけられる可能性があるでしょう。
介護の採用ブランディングのメリット
採用ブランディングを進めることで、応募者数だけでなく、採用する人材とのマッチ度や採用コスト、既存職員にも良い影響が期待できます。
ここでは、介護事業所側の主なメリットを紹介します。
自社にマッチする応募を増やせる

採用ブランディングでは、単純に応募者数を増やすことだけを目標にするわけではありません。
重要なのは、自社の理念や働き方、介護方針などに共感する人から応募してもらうことです。
例えば、「利用者とのコミュニケーションを重視する施設」と「ICTを積極的に導入して業務効率化を進める施設」では、魅力を感じる求職者も異なるでしょう。
採用ペルソナを設定し、採用したい人材が関心をもつ情報を重点的に発信すれば、自社との相性がよい人へメッセージを届けやすくなります。
求職者全員から好かれる必要はありません。
採用したい人材に「自分に合いそうな職場だ」と感じてもらうことが、採用ブランディングでは重要です。
採用ミスマッチを減らせる
入職前に職場について十分な情報を提供することで、採用ミスマッチを減らす効果も期待できます。
例えば、求人票だけではわかりにくい夜勤の回数、忙しい時間帯、職員同士の関わり方、介護方針、キャリアなどをあらかじめ伝えておけば、求職者は実際の働き方をイメージしやすくなるでしょう。
なお、良い面だけでなく、仕事の大変さや求められる役割も適切に伝えることが大切です。
求職者が十分に理解・納得したうえで応募すれば、「思っていた職場と違った」という入職後のギャップを抑えやすくなります。
採用ブランディングは応募者を惹きつけるだけではなく、自社との相性を事前に確認してもらう役割も担っています。
採用コストを抑えやすい
採用ブランディングが浸透すると、自社の採用サイトやSNS、職員の紹介(リファラル)経由で直接応募する求職者が増えやすくなります。
直接応募が増えれば、高額な掲載料がかかる求人広告や、採用成功報酬が発生する人材紹介サービスへの依存度を下げることが可能です。
中長期的には、一人あたりの採用コスト(採用単価)を大幅に抑えられるでしょう。
また、ミスマッチ低下による離職の防止も、再採用にかかるコストの削減に役立ちます。
職員の意識向上につながる
採用ブランディングは、求職者だけを対象とした取り組みではありません。
自社の強みや理念、働く価値を整理する過程では、既存職員も「自分たちは何を大切にして介護をしているのか」について改めて考える機会になります。
そのためには、経営者や採用担当者だけでブランドを決めず、現場職員にも参加してもらうことが重要です。
自分たちが働く施設の強みや社会的な価値を客観的に認識することで、施設に対する帰属意識が高まりやすくなるでしょう。
介護の採用ブランディングの進め方
採用ブランディングは、思いつきでSNSを始めるような場当たり的な施策ではなく、順序立てて戦略を構築していく必要があります。
具体的な進め方を6つのステップで解説しますので、参考にしてください。
【STEP.1】採用課題を整理する
最初に、自社が抱えている採用課題を具体的に洗い出します。
例えば、
- 求人を掲載しても応募が来ない
- 応募はあるものの面接辞退が多い
- 内定を出しても承諾されない
- 入職後の早期離職が多い
- 若手職員を採用できない
- 介護福祉士から応募が集まらない
などが考えられます。
「人が足りない」という漠然とした状態だけでは、適切な施策を選べません。
応募が少ない場合は、認知や情報発信に課題がある可能性が高いです。
入職後の離職が多ければ、職場環境や採用ミスマッチを疑う必要があります。
【STEP.2】採用ペルソナを決める
採用課題を整理したら、どのような人材を採用したいのか具体化します。
介護福祉士であれば誰でもよい、若手なら誰でもよいという設定では、発信するメッセージも曖昧になってしまうでしょう。
【採用ペルソナの例】
「介護福祉士として5年以上の経験があり、将来的にリーダーを目指したい人」
「未経験だが、人と接する仕事が好きで資格取得にも意欲がある人」
「子育てと両立しながら日中の時間帯に働きたい人」
このように、できるだけ実際の採用対象をイメージしてください。
ただし、年齢や性別などを必要以上に細かく設定するのではなく、経験、価値観、希望する働き方、仕事選びで重視するポイントを中心に考えることが重要です。
ペルソナが明確になれば、発信すべき内容や利用する媒体も選びやすくなります。
【STEP.3】事業所の強みを整理する

続いて、採用ペルソナへ訴求できる自社の強みを洗い出します。
給与や年間休日などの条件だけでなく、職員同士の関係や介護に対する考え方、新人教育の手厚さ、資格取得支援なども、採用活動における強みになります。
なお、強みを探す際は、経営陣や採用担当者だけで決めないことをおすすめします。
実際に働いている職員へ「なぜ入職したのか」「働き続けている理由は何か」「以前の職場と違うところは何か」と聞いてみましょう。
社内では当たり前になっている制度や文化が、求職者にとって魅力的な差別化ポイントになる場合があります。
【STEP.4】採用コンセプトを決める
事業所の強みと採用ペルソナが明確になったら、採用活動全体の軸となるコンセプトを決めます。
採用コンセプトとは、「どのような価値を求職者へ伝え、どのような職場として認識してもらうか」を端的に表したものです。
教育体制に強みがある施設であれば、「未経験から介護の専門職へ成長できる職場」という方向性が考えられます。
働き方に強みがある場合は、「生活の変化に合わせて長く働ける介護事業所」といった軸も作れるでしょう。
重要なのは、魅力的な言葉を作ることではなく、実際の職場と一致していることです。
【STEP.5】発信媒体や発信方法を決める
採用コンセプトを決めたら、求職者へ情報を届ける媒体を選びます。
主な選択肢として、以下が挙げられます。
| 発信方法 | 適している発信内容 |
| 採用サイト | 仕事内容、職員紹介、制度、キャリアなど詳しい情報 |
| 求人媒体 | 募集条件や求人情報 |
| 写真を中心とした職場の日常や雰囲気 | |
| TikTok | 短い動画による職員や仕事の紹介 |
| YouTube | インタビューや仕事内容などについての長めの動画 |
| 説明会 | 求職者との双方向コミュニケーション |
| 職場見学 | 実際の職員や施設の雰囲気 |
一つの媒体だけですべてを伝えようとする必要はありません。
SNSで興味をもってもらい、採用サイトで詳細情報を確認してもらい、職場見学で実際の雰囲気を知ってもらうなど、それぞれの役割を決めましょう。
媒体が変わっても、採用コンセプトや伝える価値がバラバラにならないよう注意してください。
なお、各媒体での発信方法の詳細については後述します。
【STEP.6】効果を測定しつつ改善を繰り返す
採用ブランディングは、コンテンツを公開したら終了する施策ではありません。
実施後は数値を確認し、採用活動がどこまで改善されたのか検証します。
主な指標として、
- 採用サイトのアクセス数
- 求人ページへの遷移率
- 応募率
- 面接実施率
- 内定率
- 内定承諾率
- 入職後の定着率
などを確認するとよいでしょう。
例えば、サイトへのアクセスは増えたのに応募率が変わらない場合、募集要項や応募導線、掲載コンテンツに改善余地があるかもしれません。
応募は増えても早期離職が減らなければ、伝えている職場像と実態にズレがある可能性があります。
数値を定期的に確認し、採用課題に合わせて改善を繰り返してください。
採用ブランディングで伝える内容の例
採用ブランディングでは、「何を使って発信するか」と同じくらい、「何を伝えるか」が重要です。
介護事業所の採用サイトやSNSなどで発信すべき、代表的な内容を紹介します。
理念・介護方針

理念や介護方針は、事業所が何を大切にしているのかを求職者へ伝える重要な情報です。
「自立支援を重視する」
「利用者本人の意思を尊重する」
「看取りまで寄り添う」
こういった考え方によって、日々のケアにも違いが生まれるでしょう。
ただし、理念を掲載するだけでは十分ではありません。
「理念が実際の介護にどう反映されているのか」まで具体的に説明しましょう。
理念に共感する人材から応募してもらえれば、入職後も同じ方向を向いて働きやすくなります。
採用ブランディングでは、給与などの条件だけでは比較できない「仕事への考え方」も重要な差別化ポイントです。
職員の声
実際に現場で働いている職員の生の声は、求職者にとってリアリティがあり、信頼できる情報源となります。
入職した理由、仕事のやりがい、職場の雰囲気、将来の目標などを、インタビュー記事や動画として紹介しましょう。
未経験からスタートした若手や、子育てと両立している職員など、多様な背景をもつスタッフの声を掲載することで、求職者は「自分と似た境遇のロールモデル」を見つけやすくなります。
職場の雰囲気
求職者が抱く、「人間関係は良好か」「施設内は清潔か」といった不安を解消するため、職場の雰囲気を視覚的に伝える工夫も必要です。
フリー素材ではなく、実際に働く職員の自然な笑顔や、利用者との関わりの様子を撮影したオリジナル写真・動画を多用してください。
施設内の設備だけでなく、スタッフルームや休憩スペース、定期的なイベントの様子なども発信することで、働きやすい環境であることを具体的にアピールできます。
1日の流れ
介護施設で働いた経験がない求職者にとって、「実際にどのように働くのか」はイメージしづらいものです。
そこで、早番・日勤・遅番・夜勤ごとに勤務スケジュールを掲載すれば、仕事内容を具体的に理解してもらえます。
単に、
「9時 介助」
「12時 昼食」
「17時 退勤」
と並べるだけではなく、「どの時間帯が忙しいのか」「休憩はいつ取るのか」「記録業務はどのタイミングで行うのか」なども紹介すると、求職者にとって参考になるでしょう。
介護職経験者であっても、施設形態が変われば働き方は異なります。
入職後のギャップを減らす意味でも、実際の勤務イメージをわかりやすく伝えてください。
給与や待遇
採用ブランディングというと、理念やイメージづくりが重視されがちですが、給与や待遇をわかりやすく伝えることも欠かせません。
基本給だけでなく、資格手当や夜勤手当、賞与、年間休日、住宅手当なども具体的に掲載しましょう。
例えば「資格手当あり」とだけ書くより、「介護福祉士は月○円」と示した方が、求職者は比較しやすくなります。
実際よりも待遇を良く見せることは避けるべきですが、すでに整っている制度を十分に発信できていない事業所も少なくありません。
研修やキャリア支援

介護職として長く働くことを考える求職者にとって、入職後にどのように成長できるかも重要な情報です。
新人研修、OJT、資格取得支援、外部研修、定期面談などを実施している場合は、具体的な内容まで発信しましょう。
「研修制度が充実」という抽象的な表現だけでは、他施設との差別化にはなりません。
できるだけ詳しく、事実を示すことが重要です。
具体的な介護の採用ブランディング手法
採用コンセプトや発信内容を決めたら、求職者との接点を増やしていきます。
採用サイトを軸に、SNSや動画、求人媒体、職場見学などを組み合わせると効果的です。
採用サイト
採用サイトは、介護の採用ブランディングにおける情報発信の中心として活用できます。
求人媒体では、掲載スペースやフォーマットに制限がありますが、自社採用サイトなら、理念、仕事内容、職員インタビュー、職場写真、福利厚生、研修、キャリアなどを自由に掲載できます。
さらに、デザインや写真、文章のトーンまで統一できるため、「どのような事業所なのか」を一貫したイメージで伝えやすい点もメリットです。
なお、株式会社NOBUの介護業界専門採用サイト制作サービス「Creer+for介護」では、企業の魅力を整理したうえで、ブランディング設計や社員インタビューなどのコンテンツ制作まで支援しています。
採用サイトを活用して、介護職に就こうとしている人たちへの情報発信を強化したい場合は、ぜひご相談ください。
SNS
InstagramやTikTokなどのSNSは、介護施設の日常や職員の人柄を気軽に発信しやすい媒体です。
例えば、職員紹介、施設内イベント、研修風景、仕事で感じたやりがいなどを継続的に投稿できます。
採用サイトよりも更新頻度を高めやすいため、「普段の施設の様子」を伝える手段として活用するとよいでしょう。
ただし、SNSだけで採用活動を完結させる必要はありません。
SNS投稿を見て興味をもった求職者が、仕事内容や給与、福利厚生などの詳しい情報を確認できるよう、採用サイトへの導線も用意してください。
投稿ごとに訴求する内容が大きく変わらないよう、採用コンセプトに沿って継続的に発信することも重要です。
求人媒体
求人媒体は、現在仕事を探している人に求人情報を届けるうえで重要な採用チャネルです。
採用ブランディングを始めたからといって、求人媒体をやめる必要はありません。
むしろ、求人媒体を「求職者との最初の接点」、採用サイトを「より詳しく自社を理解してもらう場所」と位置づけることで、それぞれの強みを生かせます。
なお求人原稿については、採用サイトと異なるイメージを与えないよう注意してください。
採用サイトでは「一人ひとりに寄り添う介護」を訴求しているのに、求人媒体では給与だけを前面に出していると、採用ブランドに一貫性がなくなります。
求人媒体では、募集条件をわかりやすく示しながら、採用コンセプトにつながる自社の魅力も盛り込みましょう。
説明会・職場見学

介護の仕事は、実際の職場を見なければわからない部分も多くあります。
そこで、説明会や職場見学を実施すれば、求職者が施設の雰囲気や職員の様子を直接確認でき、自分の働く姿をイメージしやすくなるでしょう。
職場見学では、きれいな場所だけを案内するのではなく、実際に働く場所や休憩スペース、使用している介護機器なども見てもらうようにしてください。
また、現場職員と話せる時間を設ければ、仕事内容や人間関係について具体的な質問もしやすくなります。
採用サイトやSNSで発信しているイメージと、実際の職場が一致していることも重要です。
リファラル採用
リファラル採用とは、既存職員から友人や知人を紹介してもらう採用方法です。
職員自身が「知り合いにも勧めたい」と感じる職場であれば、自社の魅力を第三者の言葉で伝えてもらえる可能性があります。
介護事業所がリファラル採用を進める際は、単に「誰か紹介してください」と依頼するだけでは不十分です。
募集している職種、求める人物像、職場の強み、紹介後の選考方法などを職員へわかりやすく共有しましょう。
ただし、紹介者との人間関係を理由に採用基準を下げることは避けてください。
通常の応募者と同じように適性を確認し、自社とのマッチ度を判断すべきです。
介護の採用ブランディング事例
介護労働安定センターでは、介護事業所による採用や情報発信、職場環境改善の取り組み事例を公開しています。
ここでは、採用ブランディングを実践する際の参考になる3つの事例を紹介します。
採用サイトとSNSを整備した事例
社会福祉法人による、「組織改革とブランディングの取り組み」の事例です。
こちらの法人では、職員を含む「Re.ブランディングチーム」を立ち上げ、法人の歴史や強みを整理し、3C分析、採用ペルソナの設定、コンセプト動画の検討などを実施しました。
さらに、コーポレートサイトをリニューアルし、採用サイトも新たに公開し、ブランディングチームがホームページの更新やSNS発信を継続しています。
採用施策だけでなく、面談制度や人事考課、福利厚生などの職場改善も同時におこなった結果、自組織での採用が増え、人材紹介会社への支払手数料も大幅に減少しました。
表面的な情報発信だけではなく、「組織を改善しながら魅力を発信する」という採用ブランディングの考え方が参考になる事例です。
SNSから採用につなげた事例
デイサービス事業所が、Facebookを採用活動に活用した事例です。
新規事業の職員募集にあたり、事業所の特徴をSNS広告で発信しました。
広告は約6,000PV、270件のエンゲージメントを獲得し、27人が採用試験へエントリーしています。
そして、選考を経て2人の採用につながりました。
SNSを利用することで、すでに積極的に仕事を探している人だけでなく、潜在的な候補者へ情報を届けられた点も特徴です。
ただし、「SNSを使えば採用できる」と単純に考えるべきではありません。
事例では「足に特化したサービス」など、事業所独自の特徴を明確にし、訴求力のある情報として発信していました。
採用媒体を選ぶだけでなく、何を魅力として発信するかが重要だとわかる事例です。
ホームページで職場の魅力を伝え応募につなげた事例
訪問介護事業所が、働きやすい環境づくりと情報発信を組み合わせて応募につなげた事例です。
職員が、勤務日や勤務時間を選択できる仕組みを導入し、入職後のフォローアップ研修なども整備しました。
さらに、ホームページに「スタッフの声」を掲載し、事業所の雰囲気が伝わるよう改善しています。
介護労働安定センターによると、ホームページで職場の雰囲気がわかるようになったことで、問い合わせや応募にもつながったとのことです。
また、紹介による採用なども含め、事例掲載時点までの3年間で30人が入社しています。
重要なのは、ホームページだけを変更したわけではない点です。
柔軟な勤務制度や研修といった「実際の働きやすさ」を整えたうえで、魅力を外部へ発信しています。
採用サイトも同様に、実態のある強みを伝えることが採用成果につながるでしょう。
なお、介護事業所の魅力を整理し、採用サイトを通じて求職者へ届けたい場合は、株式会社NOBUの介護業界専門採用サイト制作サービス「Creer+for介護」へお気軽にご相談ください。
介護の採用ブランディングの注意点
採用ブランディングでは、魅力を積極的に伝える一方で、実際の職場と発信内容にズレが生じないようにすることが重要です。
取り組む際に意識したい4つの注意点を紹介します。
実態以上によく見せない

求職者から選ばれたいからといって、実際の職場以上によく見せることは避けてください。
例えば、有給休暇を取得しにくい職場で「休みが取りやすい」と訴求したり、教育制度が十分に整っていない状態で「充実した研修制度」と掲載したりすれば、入職後に大きなギャップが生まれます。
一時的に応募数が増えたとしても、早期離職や職場への不信感につながれば、採用ブランディングとしては逆効果でしょう。
採用ブランディングでは、「どう見せるか」以上に「実際にどのような職場なのか」が重要です。
発信内容を統一する
採用サイト、求人媒体、SNS、採用動画などで、異なるイメージを発信しないよう注意しましょう。
例えば、採用サイトでは「チームで支え合う職場」と訴求しているのに、SNSでは個人プレーだけを強調していると、求職者は実際の職場像を判断しづらくなります。
ただし、すべての媒体で同じ文章を掲載する必要はありません。
採用サイトでは詳しく説明し、SNSでは短い動画や写真で伝えるなど、媒体ごとに表現方法を変えることは問題ありません。
職員にも協力してもらう
採用ブランディングを経営者や採用担当者だけで進めると、現場の実態と発信内容にズレが生じる可能性があります。
強みの整理や職員インタビュー、写真撮影、SNS発信など、可能な範囲で現場職員にも参加してもらいましょう。
実際に働く職員だからこそわかる魅力もあります。
なお、職員に協力してもらう際は、職員へ過剰な負担をかけない配慮が必要です。
短期成果だけで判断しない
採用ブランディングは、求人広告のように掲載直後の応募数だけで効果を判断する施策ではありません。
自社の認知を高め、求職者へ繰り返し魅力を届け、「働きたい事業所」というイメージを形成するまでには一定の時間がかかります。
採用サイトを公開して1か月で応募が増えなかったからといって、すぐに方針を変える必要はありません。
アクセス数、求人ページへの遷移、応募率、内定承諾率などを確認し、どの段階に課題があるのかを分析しましょう。
介護向け採用サイトの制作なら株式会社NOBUがおすすめ
これまで解説してきた通り、採用ブランディングを成功させるうえで、情報の受け皿となる「採用サイト」は、非常に重要な役割を担います。
しかし、求職者の心理を捉えたコンテンツの企画や、検索エンジンからの流入を見込んだSEO対策など、専門のノウハウがなければ思うように成果が出ないことも珍しくありません。
自社にWeb制作のノウハウや運用リソースが不足している場合は、介護業界の採用サイト制作において豊富な実績をもつ「株式会社NOBU」へ、ぜひお気軽にご相談ください。
事業所の強みを深く理解し、採用課題の解決に直結する魅力的なサイト構築をトータルでサポートいたします。
まとめ
介護業界における採用ブランディングは、単に人員を補充するだけでなく、自社の理念に共感し、長く活躍してくれる人材を獲得するための重要な戦略です。
採用課題の整理から始まり、ペルソナの設定、強みの言語化、そして採用サイトやSNSを通じた一貫性のある情報発信へと、順序立てて進めることが求められます。
実態とかけ離れた誇大表現を避け、現場のリアルな声や働きやすさを誠実に伝えていくことが、ミスマッチのない採用を実現する近道となるでしょう。
株式会社NOBUが提供する介護業界専門採用サイト制作サービス「Creer+for介護」では、採用ブランディングの知見を活かし、介護事業所の魅力を最大限に引き出すサイト設計をご提案しています。
採用力の強化や定着率の向上に向けたWeb施策をご検討の法人様は、ぜひ一度お問い合わせください。






